【解説】マーベルシネマティックユニバースとは?【MCU】
アメコミの代名詞「MARVEL」
最近、「キャプテンマーベル」や「アベンジャーズ・エンドゲーム」で話題のマーベル映画。
そんなマーベル映画を代表するのが「マーベルシネマティックユニバース」という映画作品群です。
ファンの間では、省略して「MCU」と表記したりします。
有名な「アイアンマン」や大ヒットした「ブラックパンサー」も、これら映画作品群に属しています。
結論から述べると、「マーベルシネマティックユニバース」とは「マーベルスタジオ」によって制作された映画作品群を指します。
今回は、アメコミ映画における「マーベルシネマティックユニバース」の立ち位置や、大人の事情による映画配給会社の違いなどを、これからMARVEL映画を見たいという方に向けてご説明します。
「MARVEL」って何?
ここまでマーベルという単語を連発してますが、そもそもマーベルとは何を指すのでしょうか?
答えはズバリ、「アメリカの漫画出版社」です。
正式名称は「MARVEL Comics」で、他に有名な出版社としては「DC Comics」があります。
「MARVEL Comics」から登場したヒーロー
「DC Comics」から登場したヒーロー
これらはアメコミというカテゴリで一括りにされるケースが多いので、アイアンマン率いるアベンジャーズの一員に、バットマンがいると勘違いされることもしばしば…。
出版社が違うので、アイアンマンとバットマンが同じコミックに登場することは基本的にありません。
日本で例えると、「集英社」や「講談社」というとわかりやすいでしょうか。
これら「MARVEL Comics」から刊行されたヒーロー漫画を実写化したものが、「キャプテンマーベル」や「アベンジャーズ・エンドゲーム」というわけです。
MARVEL Comicsの特徴
「マーベル」には、日本の漫画と大きく異なる要素があります。
それは「各作品が世界観を共有している」というものです。
これだけではピンとこないと思うので、具体例を挙げて説明します。
日本で有名な出版社「集英社」からは、「ナルト」「ワンピース」といった作品が登場しており、それぞれ「ナルト」「ルフィ」という主人公が活躍しています。
作者が違えば世界観も変わりますから、「木の葉隠れの里」に住むナルトと「グランドライン」を旅するルフィが、出会ったり言葉を交わすことは当然ありません。
しかし、「MARVEL」から登場した「アイアンマン」「キャプテンアメリカ」は、作者は違くても同じ世界線に生きるヒーローであり、悪を倒すために共闘したり、正義のために争ったりするのです。
そして時には、各作品のヒーローが結集し「アベンジャーズ」というヒーローチームとして戦うのです。
実写化された映画シリーズでも同様で、各ヒーローごとのソロ作品が作られたり、ヒーローがコラボするクロスオーバー作品がつくられたりしています。
「各作品が世界観を共有している」という意味、お分かりいただけたでしょうか?
映画会社と実写シリーズの関係
ここまで、原作となる「MARVEL Comics」について説明していきました。
ここからは、それらを実写化した映画配給会社と公開された映画シリーズの区別についてご説明します。
「MARVEL Comics」を映像化する権利、いわゆる「版権」を持っている映画配給会社と、それら会社によって制作された映画シリーズは以下の通りです。
- Disney→アベンジャーズシリーズ(アイアンマン・キャプテンアメリカなど)
- 20世紀FOX→X-MENシリーズ(ウルヴァリン・デッドプールなど)
- ソニーピクチャーズ→スパイダーマンシリーズ(スパイダーマン全般)
これら映画シリーズは、すべて「MARVEL Comics」を基に実写化されましたが、制作している映画会社が異なります。
それはつまり、映画の脚本上ではシリーズごとに異なる世界観を形成しているということになります。
アイアンマンとウルヴァリンといった異なる映画シリーズのキャラクターは、たとえ原作で共演していたとしても、同じスクリーンに映ることは基本的にありません。
また、アベンジャーズシリーズの一部映画は、Disney以外の映画会社配給により制作されています(詳しくは後ほど)。
このように、原作出版社の違いと映画配給会社の違いを理解すれば、どの映画がどのシリーズに属するのかがわかりやすくなるでしょう。
MARVEL STUDIOSの作品
前述の通り、Disney配給のMARVEL映画がアベンジャーズシリーズ、つまり「マーベルシネマティックユニバース」の映画作品群となります。
しかし、前項でも触れましたが、マーベルシネマティックユニバースの一部作品はDisney以外の映画会社配給により制作されています。
- 「アイアンマン」「アイアンマン2」「マイティ・ソー」「 キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」→パラマウントピクチャーズ
- 「インクレディブル・ハルク」「スパイダーマン:ホームカミング」→ソニーピクチャーズ
これら作品は、同じマーベルシネマティックユニバースの作品として公開されているのですが、背景には映画会社の買収や共同制作といった大人の事情により、Disneyとは別の会社が制作しています。
しかし、ここで忘れてはいけないのが「マーベルスタジオ」の存在です。
最初にも結論として述べましたが、「マーベルシネマティックユニバース」の作品は全て「マーベルスタジオ」によって手掛けられています。
映画の配給会社や監督は違えど、一貫して同じマーベルスタジオが制作することで、20作品以上もの映画を、壮大なスケールかつ完成度の高いストーリーとして作り上げているのです。
まとめ
「マーベルシネマティックユニバース」とは…
- 「MARVEL STUDIOS」によって制作された映画作品群である。
- 「MARVEL Comics」を原作として実写化したものである。
- シリーズ内の作品が世界観を共有している。
- 他の映画会社や制作スタジオによる映画シリーズとは区別されている。
2017年では、マーベルスタジオとソニーピクチャーズの共同制作により、スパイダーマンのアベンジャーズへの参加が実現しました。
また、Disneyによる20世紀FOX買収の動きもあるため、近い将来アベンジャーズとX-MENが同じスクリーンに登場する日が来るかもしれません。
このように、マーベル映画は映画会社同士をつなぐ架け橋となっており、今後もシネマ業界にさらなる追い風を吹かせてくれることでしょう。