【徹底考察】エンドゲームのタイムトラベルについて考えてみた【MCU】
7日よりiTunesにて先行配信が開始された「アベンジャーズ/エンドゲーム」
映画はDVDよりiTunes派の僕も、早速購入して視聴しました!
エンドゲームのタイムトラベルの仕組みについて、ネットでも議論が過熱しているようです
今回は僕なりに考えた、もっとも矛盾が少ない形で綺麗に説明できる、タイムトラベル理論を考察していきます
図解も含めて、なるべくわかりやすさを心がけていきます
単純にタイムトラベルの仕組みがよく分からなかったという方も、ぜひ読んでみてください!
キャラクターたちのタイムトラベルへの言及
ここでは、劇中のキャラクターのセリフの中にある、タイムトラベルを理解する上での手掛かりを、整理していきたいと思います
「過去を変えても、未来は変わらない」
タイムトラベルのテスト準備のシーンで、「赤子のサノスを殺せば良い」と提案したローディに対する、ブルースの発言です
「過去に旅したらそれは君の未来に、そして現在は君の過去になる」
とも発言しています
これはつまり、過去・現在・未来がそれぞれ独立した世界の連続体であり、相互に干渉し得ないことを表しています
例えば
僕が本能寺の変が起きた時間にタイムトラベルして、織田信長に豊臣秀吉の謀反を知らせたとします
そして、本能寺の変を未然に防ぎ、織田信長の命を救うことができたとしましょう
この話にバナーの説を照らし合わせると、僕が未来に戻ったとしても、日本の生活はタイムトラベルする前と何一つ変わっていないことになります
織田信長が本能寺の変で亡くなったという解説が、教科書から消えることもないです
一方で僕が織田信長を救ったという事実も、まぎれもない真実です
おそらく織田信長が生き延びた別の世界線が誕生することになるでしょう
これがいわゆる、「世界線の分岐」というやつです
「石を一つ取り除けば、別の流れができる」
2012年へタイムトラベルしたブルースに対する、エンシャントワンの発言です
タイムストーンを持ち帰りたいと提案するバナーに対して、その危険性を説明するシーンのセリフですね
「(石を渡してしまうと)我々は闇の力と戦う武器を持たない、何百万人もの人々が苦しむ」
とも発言しています
エンシャントワンが何を言いたいのかというと、
「タイムストーンを渡してしまうと、この世界は悪に支配されてしまう。結果として、バナーが生きてきた世界とは、別の現実を歩むことになってしまう」
ということです
これに対してバナーは、
「石を使い終えたら、それぞれ元あった時間に戻して、その事実を帳消しにできる」
と提案しています
この発言を聞くと、「ストーンを戻せば分岐した世界が元に戻るなんて、さっきのブルースの発言と矛盾してない?」と感じるかもしれません
これは言葉の綾で、ブルースが言いたかったのは、おそらく「ストーンを戻せばエンシャントワンの世界は悪の手から守られる。つまり、自分たちと同じ歴史を歩むことができる」ということです
同じ歴史を歩む=同じ世界線になる、ということではありませんからね
2つの別の世界線が全く同じ歴史をたどることはあるでしょう
それにエンシャントワンにいる世界には、既に未来人のブルースたちがやってきています
ストーンの有無に関わらず、バナーたちがタイムトラベルしてきた時点で、世界線の分岐は起きていたと考えるのが自然でしょう
「ストーンを正確に戻さないと、別の現実が生まれてしまう」
ストーンを戻すためのタイムトラベルを行う際、スティーブに対してバナーが発言したものです
ストーンを正確な時間と場所に戻さなければ、エンシャントワンの言うように想定外の現実が生まれてしまうというリスクを、バナーがスティーブに伝えようとしたものでしょう
返す時間が早すぎると、同じストーンが2つ存在する時間が発生してしまいます
また、さらに世界線が分岐してしまうことにもなりかねません(詳しくは後述)
返す自分が遅すぎると、ストーンが存在しない時間が生まれてしまいます
返す場所が違うのはもってのほかです
そして、ストーンを正確に戻せたからと言って、世界線の分岐までも無かったことになるわけではないということは、上述の通りです
そしてスティーブが、
「悪い芽は摘み取る」
とも発言しています
単純に考えると、ストーンを正常に戻せるように取り計らうというということでしょう
しかし、深読みするとしたら、メインストーリーで起きた今回の事件を、未然に防げるよう取り計らうという意味にも考えられます
インフィニティウォーとエンドゲームの劇中で死亡したアベンジャーズ・ガーディアンズのメンバーは、
ヴィジョン
ナターシャ
トニー
ガモーラ
の4人です
それらヒーローが同じ運命を辿らないためらに、なんかしらの策を施したかもしれません
「それで思い出した」
トニーの葬儀後、ストーン返却の任務を終えたスティーブが、老人となってサムのもとに帰ってきたときの発言です
スティーブがどのようにして、サムのもとに帰ってきたのかについては、ファンの間でも議論されています
サムが「キャプテン・アメリカがいない世界は寂しい」と悲しがると、スティーブはこのセリフを口にしたあとに、シールドを差し出すのです
ここで大切なのは、セリフではなく「シールドを持っていた」という事実です
どこから持ってきたのか?という疑問が湧きますが、まずメインラインからそのまま持ってきたという可能性は、かなり低いように思います
理由としては、
①オリジナルのシールドは、サノスに破壊されている
②ヴィヴラニウムは、ワカンダの埋蔵石を除き、世界で確認されているのはキャプテン・アメリカのシールドのみ(厳密には他にもあるようですが、キルモンガーのようなワカンダ人にしか見分けられないほど、認識は難しいようです)
③ワカンダであれば複製可能だが、サノス敗北から老人スティーブ帰還までの、短い間に複製したことになる(それ以前に実は複製してましたという線は、まず無いかと)
④トニーがあらかじめ予備を作っていたというのは、考えにくい(原材料を持つワカンダとトニーの交流はほとんど無かった)
すなわち、別の世界線から「持ってきた」という予想が立ちます
ネットでは、
スティーブがメインラインの過去にタイムトラベルしたあと、そのまま2023年までメインラインに留まっていて、これまでのMCUにも実は登場していた
という説が流れていますが、これまで解説した理論を考慮すると矛盾だらけなため、その可能性は無いように思います
では、どのようにしてスティーブはファルコンのもとに訪れたのか?
それを次の項目で、順を追って説明していきます
筆者的タイムトラベル図解
キャラクターの発言と劇中のストーリー進行をもとに、僕が考えたタイムトラベル論を図で解説していきます
まずエンドゲームでアベンジャーズがタイムトラベル装置を開発した世界線
つまりこれまでMCUのストーリーが繰り広げられてきた世界線を図にすると、このようになります
濃い紫の「線」で示しているのは、「時間の流れ」あるいは「歴史の流れ」と考えてください
その歴史の中で、これまでの映画で描かれたような、ロキの侵略やダークエルフとの戦いが繰り広げられました
今後、この「線」がたくさん出てきますが、世界線ごとに色で分けて示しています
この図にはありませんが、薄い紫で示した「矢印」は、タイムトラベルの進路を示しています
矢印の先が、タイムトラベルした時代となり、矢印の色で行き先の世界線を示しています
このあとに出てくる図も、この「線」と「矢印」で説明していきます
次に「タイム泥棒作戦」から最終決戦までの、タイムトラベルの流れを図にすると、こうなります
まずエンドゲームの劇中で行われた「タイム泥棒作戦」
これによってアベンジャーズたちは、
スティーブ/トニー/ブルース/スコット
→2012年(青い矢印)
ソー/ロケット
→2013年(黄色い矢印)
ネビュラ/ローディ/ナターシャ/クリント
→2014年(緑の矢印)
というように、それぞれ過去の時代へタイムトラベルします
ここでポイントとなるのは、彼らは「メインラインの過去に移動しただけ」ということです
しかし、過去の世界に未来のアベンジャーズたちがいるなんてことは無かったわけです
結果として世界線分岐が発生して、それぞれメインラインとは別に3つの世界線が誕生します
便宜上、それぞれ「世界線A」「世界線B」「世界線C」としておきます
これらは既にメインラインとは独立した世界線ですから、ロキが脱走しようと、ムジョルニアを盗もうと、ネビュラが2人いようと、メインラインには全く影響しないことになります
世界線Aでロキの脱走を許したトニーたちですが、スペースストーンとピム粒子を手に入れるために、次は1970年にタイムトラベルすることになります
ここでのタイムトラベルは、世界線Aの2012年から、同じ世界線Aの1970年にタイムトラベルしたことになります
本来、世界線Aの1970年には、未来人のトニーたちはいなかったわけですから、やはりここでも世界線分岐が発生します
それぞれの世界線でストーンを手に入れたアベンジャーズたちは、メインラインの世界線に再び戻ることになります
つまり、彼らはタイムトラベルをしていたつもりが、「マルチバース移動」をしていたということです
別の世界線にいた彼らが、なぜ元のメインラインの未来に戻れたのかは、後述します
世界線Cにいたサノスは、未来から来たネビュラの記憶を目の当たりにして、メインラインの世界線での出来事を知ります
そして、ストーン総取りのために、2023年のアベンジャーズのもとへ、タイムトラベルしてくるのです
紫の矢印が、この流れを示したものです
ピム粒子を持たない彼らが、なぜ2023年にやって来れたのかについても、後述します
最終決戦でサノス軍に勝利したあと、スティーブは集めたストーンを戻すために、過去の時代に再びタイムトラベルします
普通にタイムトラベルすると、最初の「タイム泥棒作戦」同様、メインライン上の過去に戻ることになります
しかし、今回はストーンを回収した場所に戻らねばなりませんから、世界線A〜Dの過去にマルチバース移動したということでしょう
2023年からスティーブが石を持ってタイムトラベルし、再び戻ってきた時には、老人の姿になっていました
この老人スティーブが、どのようにして2023年のサムのもとに戻ってきたのかについてですが、先ほども説明した通り僕は別の世界線からやってきたと考えています
流れにすると、
メインラインの2023年からストーンを持ってタイムトラベル
↓
スペースストーン以外を返却して、世界線Dの1970年のニュージャージーへ(どの順番でストーンを返却したかは不明)
↓
スペースストーン返却後、ふと自分の人生を考え、マーガレットのもとへ
↓
結婚し老年期まで共に過ごす(劇中の若スティーブが30歳前後、老スティーブが80歳前後と考えると、2020年代までは世界線Dにいたと予想できる)
↓
世界線Dのシールドを持って、再びタイムトラベル装置起動
↓
メインラインのサムのもとへ
というものです
これまでの理論にも当てはまりますし、矛盾もありません(細かく見ると、ツッコミどころがあるのですが…)
また「悪い芽は摘み取る」と発言していたスティーブ
世界線Dでもサノスのスナップが起きるとわかっていたら、マーガレットと幸せには暮らせないでしょう(マーガレットはスナップの前に亡くなりますが、孫のペギーは現役のエージェントです)
世界線Cのサノスは死亡していますが、上述の通り、他の世界線でもスナップの悲劇が起きないよう、スティーブが対策を施しているかもしれません
以上、僕のタイムトラベル理論についての、図解でした
それでも浮び上る疑問
これら図解を経ても説明できていない点があるので、最後にそこを解説していきます
なぜタイムトラベル装置で、マルチバース移動ができるのか?
タイム泥棒作戦でアベンジャーズが行なっていたのは、結果的にタイムトラベルではなくマルチバース移動なのではとお話しました
メインラインの過去に移動して、世界線分岐が発生したことにより、結果的にマルチバース移動になるというのは、おわかりいただけたかと思います
しかし、タイムトラベル先の世界線から、メインラインの2023年に戻れたのは何故でしょうか?
例えば、世界線Aにいたスコットが、そのまま2023年にタイムトラベルしても、彼が辿り着くのは世界線Aの2023年であり、メインラインの2023年ではないはずです
これの答えとして僕が考えたのは、
アベンジャーズ本部の量子トンネルが中継地点の役割を果たしている
というものです
そもそもスティーブとトニーは、手に装着したGPSデバイスのみで、1970年代へタイムトラベルしていました
それなのに、なぜタイム泥棒作戦には、アベンジャーズ本部にあるような、巨大な量子トンネル装置が必要なのでしょうか?
それは、彼らが装着しているGPSデバイスと量子トンネルが常にリンクしていて、
GPSデバイス→行き先の時代や世界線を決める、およびマルチバース移動を発動するためのトリガー
量子トンネル装置→時空の穴を開ける、およびマルチバース移動を実行させる
というように、役割が分かれているのではないでしょうか?
このような機能分担がなされていれば、アベンジャーズはピム粒子がある限り、好きなタイミングで自由に時代や世界線を行き来できるのも説明できます
またスティーブが老人になってから、メインラインの狙った時間に帰って来れたのも、この仕組みがあれば説明できます
タイムトラベルの実験で、スコットが老人や赤ちゃんになったことについて
「我々が時を超えるつもりが、時が我々を超えてしまった」
とトニーが説明していました
これについても、トニーの開発したGPSが無かったために、量子トンネルの中で時空の流れの制御を失ってしまったと考えられます
サノスやストレンジがタイムストーンを使って、ヴィジョンやリンゴの経年状態を自由に操っていたのと同じ現象が、時空の流れに飲まれたスコットの身に起きていたということでしょう
なぜサノスたちは、ピム粒子が無い状態で2023年にやってこれたのか?
過去ネビュラが、過去サノスを2023年に呼び寄せるシーンがありますが、過去ネビュラは自力で2023年にやってきていました
つまり、手持ちのピム粒子を使ってきたということであり、過去サノスのもとにはピム粒子は残っていないはずです
しかし実際には、過去ネビュラが量子トンネル装置を操作して、2014年への時空の穴を開き、サノスたちの召喚に成功しています
ここでポイントとなるのは、過去ネビュラの辿り着いた2023年と、過去サノスのいた2014年では、時間の流れが異なるという点です
過去ネビュラが2023年にやってきて、量子トンネル装置を起動させるまでの時間は、ほんの数十分から数時間の話でしょう
一方、2014年のサノスたちのいる世界線Cでは、何ヶ月も経過している可能性があります(過去ネビュラが量子トンネルを起動する際、タイムトラベルの出発点を2014年に指定しているため、1年以上が経過していることは無さそうです)
その期間の間に、サノスたちは未来ネビュラの持っていたGPSデバイスとピム粒子の情報をもとに、複製を成功させているとも考えられます
複製と聞くと、そんな簡単に?と少し無理のある話にも聞こえます
しかし以下のように、これまでの話と照らし合わせると、そうでもないことがわかります
①ピム粒子はダレン・クロスによって複製された事実があり、地球よりはるかに高い知能を持つサノス軍であれば、ある程度の期間があれば複製を成功させていてもおかしくは無いということ
②GPS装置もトニーが短期間の間に、アベンジャーズメンバー全員分を製作しており、仕組みさえわかれば複製は可能であるということ
このように考えれば、サノスがメインラインの2023年にタイムトラベルするのも、不可能ではないように思えます(劇中ではこの件についてまったく触れ込みが無いため、憶測でしかないですが)
そもそも過去ネビュラは、GPSデバイスとピム粒子の複製が完了してから、アベンジャーズのもとにやってきたのかもしれません
アベンジャーズがもとのメインラインに戻るときや、スティーブがストーンを返却するときは、なぜ世界線分岐が起きないのか?
これについては単純明解で、彼らはタイムトラベルが発生したあとの時間に移動したからです
たとえば、アベンジャーズがストーン回収を終えて、メインラインに戻った時間は、タイム泥棒作戦を決行した1分後です
タイム泥棒作戦を決行した時点では、それより後の歴史は紡がれていませんから、1分後にアベンジャーズがやってきても、ただ彼らがやってきたという事実があっただけです
一方、タイム泥棒作戦決行の1分前に戻ってしまうとします
するとメインラインにアベンジャーズが2人ずついる時間帯が発生してしまい、もともと紡がれていた歴史とは違う事実が生まれてしまいます
これが「世界線分岐の発生」です
スティーブがストーンを返却するときも同様です
たとえば、タイムストーン
ブルースがストーンを回収した時点では、それよりあとの歴史は紡がれていません(世界線Aは既に独立した新しいものになっていますので)
スティーブは、ブルースがストーンを持って、世界線Aから去った直後にやってきて、ストーンを返却したということです
ブルースがタイムトラベルからの帰還の時間を、必ず「1分後」や「5秒後」に設定していたのは、この理屈からだと思います。
以上、僕の考えるタイムトラベル理論の考察でした
図を入れてわかりやすくしたつもりですが、やっぱり複雑になってしまいますね汗
ネットの情報によると、このタイムトラベル概念については、製作者の中でも複数の意見があるようです
今後のMCU作品で、明確な答えが提示されるかもしれませんね
こーゆー話題は、意見を交わしてなんぼだと思いますので、ぜひみなさんの意見も聞かせてください